PwCあらた有限責任監査法人の第13期決算を分析してみた

先月14日にPwCあらた有限責任監査法人の第13期決算が公表されました。

四大監査法人の中で最も規模は小さいあらたですが、今年の決算について、詳しく分析してみたいと思います。

業務の概要

監査証明業務と非監査証明業務の売上高です。

(単位:百万円)

2018年6月期2017年6月期増減
監査証明業務23,45521,653+1,802
非監査証明業務22,16720,668+1,499
合計45,62242,321+3,301

 

監査証明業務については、監査品質向上に伴い増加する監査コストをうまく監査報酬に転嫁できたことから、クライアント数は減少しているにも関わらず18億円の増収となっています。

また非監査証明業務については、クライアント数は121社増加しており、売上高も14億円の増加となっています。

リソース不足が響き、EY新日本とあずさでは非監査証明業務の売上高を落としている中、バランスよく成長を果たしているのがあらたということになります。

監査証明業務の状況

あらたの監査クライアントの状況です。

2018年6月期2017年6月期増減
金商法・会社法監査141136+5
金商法監査5152△1
会社法監査434459△25
学校法人監査32+1
労働組合監査
その他法定監査144148△4
その他任意監査343331+12
合計1,1161,128△12

金商法・会社法監査のクライアント数は5社増加していますが、会社法監査のクライアントは25社も減少しています。

これは限られたリソースをより収益性の高い金商法・会社法監査の領域に集中した結果だと思います。

恐らく報酬交渉に応じなかった会社法監査のクライアントについては、監査契約を更新しなかったということなのでしょう。

社員・職員の状況

社員・職員の状況です。

2018年6月期2017年6月期増減
社員145130+15
職員2,9102,647+263
合計3,0552,777+278

 

職員数をさらに詳細に見ていく、以下のようになっています。

2018年6月期2017年6月期増減
公認会計士900866+34
試験合格者532479+53
監査補助職員882805+77
その他の事務職員596497+99
合計2,9102,647+263

すべての職員が増加しています。

特にその他の事務職員の増加が著しく20%程度の増加となっています。また試験合格者数も増加しており、11%程度の増加となっています。

一方で公認会計士に数は4%程度の伸びに留まっており、売り手市場の中、思うように採用が伸びなかった状況が伺えます。

人件費の状況

人件費の状況は以下のとおりです。

 

2018年6月期2017年6月期増減
報酬給与25,50023,010+2,490
一人当たり報酬給与8,347千円8,286千円+61千円

人員数増加に伴い報酬給与も増加しています。

監査業務に関わる売上高、非監査業務に関わる売上高ともに増加させており、好調を維持しているあらたですが、一人当たり報酬給与も前年比で61千円の増加となっています。

業績の状況

2018年6月期の業績の状況は以下のとおりです。

2018年6月期2017年6月期増減
業務収入45,62242,321+3,301
業務費用45,53441,144+4,390
営業利益881,176△1,088
営業外収益19669+127
営業外費用8961+28
経常利益1951,185△990
特別利益8287△5
特別損失68366△298
税引前当期純利益209905△696
法人税等95333△238
当期純利益114572△458

 

業務収入は監査証明業務、非監査証明業務とも増加した結果、33億円の増加となっています。

一方で業務費用については43億円増加の45,534百万円となっています。

これは人件費が30億円増加していることに加え、その他業務費用が8億円増加したことが主な原因となっています。

 

これらの結果、営業収益は10億円減の88百万円に留まっています。

しかしながら前年のおいては、投資損失引当金繰入を2億円計上していましたが、今回の決算ではそのような特殊要因はなかったことから、最終的には税前利益209百万円、最終利益114百万円となっています。

 

業績を伸ばしているあらたですが、業績の伸び以上にコストが増加しており、増収を維持するも減益となってしまっています。

コラム
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