令和2年公認会計士 第Ⅰ回短答式試験の結果 流れは変わったのか

2020年1月17日に令和2年公認会計士 第Ⅰ回短答式試験の合格発表がありました。

 

令和2年公認会計士試験第Ⅰ回短答式試験の合格発表について

 

出願者数が前年比で878人増加(前回比では138人減少)した令和2年公認会計士試験第Ⅰ回短答式試験ですが、合格者数は1,139人となりました。

一方で合格率は15.7%とここ数年の第Ⅰ回試験の中では、最も低い合格率となりました。

 

これは公認会計士の数を増やそうと考えていた金融庁の方針が変わったことを意味するのでしょうか。

データ分析を通じて、検証してみたいと思います。

試験結果の概要

試験結果の概要は以下のとおりです。

願書提出者数(人)

うち欠席者(人)

9,393

2,148

答案提出者数(人)7,245
合格者数(人)1,139
合格率(%)15.7%
ボーダーライン(%)57%

今回の短答式試験では、管理会計や財務会計の計算問題、監査論などで問題が難化し、ボーダーラインは低くなると予想されていました。

結果は予想通り57%と近年では最もボーダーラインが低い結果となりました。

合格者数の推移

平成28年以降の短答式試験の合格者数と合格率の推移は以下のとおりです。

 

H28ⅠH28ⅡH29ⅠH29ⅡH30ⅠH30ⅡH31ⅠH31ⅡR2Ⅰ
短答合格者数8636381,1944751,0909751,0977091,139
各年合計1,5011,6692,0651,806
短答合格率15.8%13.5%19.7%9.7%16.6%18.2%16.6%12.7%15.7%
ボーダーライン67%66%71%64%70%64%63%63%57%

 

例年、第Ⅰ回と第Ⅱ回を比較すると、第Ⅰ回の方が合格者数が多い傾向にあります。

これは第Ⅱ回試験で論文式試験に進む人数を調整していると考えられるためです。

 

そのような第Ⅰ回試験なのですが、近年の合格者数を見てみるとH28Ⅰが863人、H29Ⅰが1,194人、H30Ⅰが1,090人、H31Ⅰが1,097人でしたので、今回の1,139人というのはここ5年の試験の中でH29Ⅰの1,194人についで合格者数が多かった試験ということになりました。

 

一方で合格率を見てみると、H28Ⅰが15.8%、H29Ⅰが19.7%、H30Ⅰが16.6%、H31Ⅰが16.6%でしたので、今回の15.7%という合格率は近年で最も低かった試験となりました。

 

これは以下の通り願書提出者数が増加していることが影響しています。

 

 

つまり合格者数は増加しているのですが、分母の願書提出者数の伸びの方が大きいため、結果として合格率はここ5年の第Ⅰ回試験の中では、最も低い15.7%という結果になっています。

 

このサイトでは、再三「公認会計士になりたいなら、今がチャンス」と言ってきましたが、この試験結果を見て、流れは変わったと見るべきなのでしょうか。

 

私はそうは思いません。

 

願書提出者数が増加しているため、合格率は下がっているように見えますが、合格者数自体は増加しており、まだまだ公認会計士の数自体は増やそうと考えている金融庁の考えが透けて見えるからです。

 

とはいえ、米中の貿易摩擦や中東情勢の悪化など世界経済の先行きは不透明感を増していますので、経済環境の影響を色濃く受ける公認会計士試験においても、いつトレンドが変わってしまってもおかしくありません。

公認会計士になりたいと思っている人は、このチャンスを逃さず、できるだけ早く合格を勝ち取るようにすべきだと思います。

このチャンスに乗り遅れないように

上場会社における不正会計の問題は、東芝の件以降もジャパンディスプレイの件など、後を絶ちません。

このような状況の中、監査法人には不正を原因とする不適切会計をタイムリーに発見することがますます期待されるようになっています。

 

一方で過労死問題などを契機に、日本中で働き方改革が叫ばれており、この流れは監査法人においても同様です。

従来であれば、職員に残業をさせることで、監査の質の向上を図っていたのでしょうが、働き方改革が叫ばれている中、このようなことは社会的に認められることはありません。

 

したがって当面は、各監査法人とも監査の質の向上を目指し、職員数を増加させる傾向は続くと思われます。

 

そして監督官庁である金融庁も、このような監査法人側の意向は十分に理解しており、公認会計士監査制度を維持すべく監査法人側の意向を汲んで試験合格者の数をコントロールしていくものと思われます。

 

公認会計士になりたい人は、このチャンスに乗り遅れないようにして、公認会計士になるようにしてください。

 

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