公認会計士になるためには、公認会計士試験に合格した後、2年間の実務経験(業務補助)と3年間の実務補修を受ける必要があります。
実務補習は、公認会計士試験に合格した者に対して、公認会計士となるのに必要な技能を修習させるために行われるもので、現在は一般財団法人会計教育研修機構が実施しています。
実務補習は働きながら受けることになります。
特に1年目は週2回ペースで実務補習が行われることになるため、受講するのも大変です。
ただ監査法人に入所された方は、仕事よりも実務補習を優先してもらえるので、仕事が忙しくて実務補習を受けることができないということにはなりません。
上司や先輩も同じ道を通ってきていますので、実務補習に対して理解は得やすいです。
実務補習の実施場所
実務補習は東京・東海・近畿・九州の 4実務補習所及び東京実務補習所の傘下に札幌・仙台・長野・新潟・静岡・金沢・広島・高松の 8支所で実施されており、東京では、市ヶ谷の公認会計士会館で行われています。
監査法人の地方事務所に入所された方でも、上記8か所に支所が設けられていますので、安心して実務補習を受けることができます。
実務補習の内容
実務補習は以下の内容で実施されます。
- 会計に関する理論及び実務
- 監査に関する理論及び実務
- 経営に関する理論及び実務
- 税に関する理論及び実務
- コンピュータに関する理論及び実務
- 公認会計士の業務に関する法規及び職業倫理
- その他協議会が必要と認める事項
実務補習の実施方法
実務に関する講義は、ライブ講義の他、eラーニングでの受講可能です。
また講義以外にも実地演習として、ディスカッションやゼミナール、宿泊研修や工場見学なども実施されます。
さらに3年間で合計10回の考査が実施され、レポート提出も3年間で6回行われることになります。
実務補習のスケジュール
実務補習は3年間にわたり実施されますが、決められたカリキュラムのおよそ70%は1年目に実施されます。
そのため1年目は週2回ペースで行われる実務補習に通う必要があります。
そして2年目は全カリキュラムの20%、3年目は10%と年次が上がるほど、実務補習のペースは下がってきます。
年次が上がるほど業務が忙しくなることが想定されるため、これに配慮したカリキュラムとなっています。
必要単位
実務に関する講義及び実地演習については、1年目に180単位以上、2年目に40単位以上、3年目に20単位以上の単位取得が必要になります。
またディスカッション、ゼミナールの単位も15単位以上の取得が必要となります。
さらに上記に関わらず必須科目が設定されていますので、これらの単位も必要となるので、注意が必要です。
考査については、全10回の考査をすべて受験し、60単位以上を取得することが必要となります。また各回の考査につき、40 点以上であること、グループごとの合計の点数が60%以上であることなどが必要とされています。
修了考査
必要とされている単位を取得したものに受験資格が与えられます。
修了考査は東京、愛知、大阪、福岡で2日間にわたり実施され、以下の5科目が試験科目となります。
- 会計に関する理論及び実務
- 監査に関する理論及び実務
- 税に関する理論及び実務
- 経営に関する理論及び実務
- 公認会計士の業務に関する法規及び職業倫理
修了考査の合格率は7割程度と公認会計士試験と比べるとはるかに高い合格率となっています。
ただしそれなりの対策はちゃんとしておかないと合格することは難しい試験です。
監査法人に入所し、実際に業務を始めると同期と一緒に仕事をすることは、ほとんどありません。
そんな中、実務補習では同期と会える貴重な時間となります。
仕事をしながら実務補習を受けるのは、確かに大変なのですが、講義後に同期と飲みに行く良い機会でもありますので、実務補習はできるだけ受けるようにしましょう。
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