公認会計士試験ではここ数年、合格率が高止まりしている状況です。
公認会計士になりたい人は、今がチャンスです。
でも先日合格発表があった短答式試験では、未だ高い合格率を維持しているものの、前回試験よりは合格率が低下しており、いつ潮目が変わってもおかしくない状況にあるとも思います。
したがって公認会計士になりたいと考えている人は、このチャンスに乗り遅れないように、最短ルートで試験に合格するようにしてください。
でも最短ルートで合格するためには、どのように勉強すればいいのでしょうか。
今回は公認会計士試験に最短ルートで合格するための勉強法について、書きたいと思います。
公認会計士試験は競争試験であるという事実
公認会計士試験に最短ルートで合格するための勉強法を考えるにあたっては、公認会計士試験のことをよく理解しておく必要があります。
以下はここ最近の論文式試験の合格率の推移です。
平成21年には10.5%あった合格率なのですが、平成23年には6.5%まで急落しています。
そしてその後、徐々に合格率は回復し、平成30年には11.1%まで上昇しています。
毎年一万人以上の受験者が受験する公認会計士試験ですが、なぜこのように合格率が大きく上下に変動したのでしょうか。
それは公認会計士試験が、一定以上の点数をとれば、合格できる試験ではないからです。
日商簿記検定試験は合格基準点が70点と定められており、この基準を上回れば、人数に関係なく合格とされます。
これは、受験者全員が70点を超えれば、全員が合格することを意味します。
一方で公認会計士試験では、短答式で総得点の70%、論文式で総得点の52%を基準として、公認会計士・監査審査会が相当と認めた得点比率とする、とされています。
これは、公認会計士・監査審査会が合格点を自由に決められることを意味します。
ではどのようにして、公認会計士・監査審査会は合格点を決めているのでしょうか。
かつて四半期レビューや内部統制監査が制度化されたのを契機に、公認会計士の数を増加させることを目的に一気に3,000名以上の合格者を出していた時期がありました。
ところが合格者を一気に増加させたため、合格者の多くが監査法人に就職できない状況が生まれ、社会問題化しました。
公認会計士・監査審査会はこれを反省し、その後は、合格者に就職問題が生じないように社会的な公認会計士の需要を見て合格者数を決定しています。
そのため公認会計士試験は、合格点を取ることを目指す試験ではなく、合格者の枠の中に入ることを目指す競争試験となっているのです。
競争試験で必要なこと
では最短ルートでそのような競争試験に勝ち残るためには、何が必要なのでしょうか。
それは論文式試験において、合否ライン上にいる受験者の半分が正答できる問題を取りこぼさないような試験勉強を行うことです。
公認会計士試験には毎年10,000名以上の受験者が試験を受けています。
でも受験者全員が「勝負の土俵」に上がれているわけではなく、実際に合否ライン上にいるのは2,000名程度です。
この2,000名で合否を争うことになるのですが、このうち半分が正答できる問題を取りこぼしてしまっていては、合格を勝ち取ることはできません。
なので、合否ライン上にいる受験生の半分が正答できるような問題を取りこぼすようなことがないように勉強することが、公認会計士試験においては重要になってきます。
具体的には
では合否ライン上にいる受験生の半分が正答できるような問題を取りこぼさないようにするには、具体的にどのように勉強を進めればよいのでしょうか。
受験生のほとんどが利用している専門学校を、あなたも利用して学習を進めればよいのです。
そもそも公認会計士試験で扱われるすべての論点を、一読するだけで理解して、かつ試験でもアウトプットできるならば、勉強法に頭を悩ませる必要はありません。
でもそんなことができるのは一部の天才だけです。多くの人は、同じ論点を何度も繰り返し学習することによってでしか、理解は得られませんし、アウトプットもできません。
これを限られた時間の中で行うならば、学習する論点を絞り込むことが必要です。
この絞り込みを受験のプロ集団である専門学校に行ってもらうのです。
専門学校では試験ごとに多くの時間と人手をかけて、出題傾向を分析しています。そのため専門学校には膨大なノウハウが蓄積されています。
このノウハウを利用しない手はありません。
そしてほとんどの受験生が、いずれかの専門学校を利用していますので、専門学校が絞り込んだ論点をしっかり理解してアウトプットできるようになっていれば、結果的に合否ライン上にいる受験生の半分が正答できるような問題を取りこぼすようなことはなくなっています。
専門学校ごとに異なる絞り込みの方針
どの専門学校でもテキストで取り扱う論点は、絞り込んでいます。しかしながら専門学校ごとに絞り込みの方針は異なっています。
一般的な専門学校では、取り扱わなかった論点から出題されることを恐れて、かなり広範囲に論点を網羅しています。
そのため講義で使用するテキストを全部集めると50冊以上になることも珍しいことではなりません。
その結果、初学者や勉強時間を十分に確保できない社会人受験生は、テキストで取り扱っている論点全てをマスターすることに注力してしまい、時間が足りなくなって結果的に最頻出論点や頻出論点への準備が十分でないケースが散見されます。
一方で、専門学校の中でもクレアールは、テキストで取り扱う論点を最重要論点や頻出論点に絞り込んでいる専門学校で、圧倒的にテキストの数は少なくなっています。
そのため、意識せずとも最重要論点や頻出論点の理解に注力できるため、結果的に本試験で良い結果を出せる場合も少なくありません。
論点を他の受験生より絞り込むことに不安があるかもしれませんが、範囲を広げて消化しきれないくらいなら、初めから範囲を絞り込むことも有効だと思います。
また最重要論点や頻出論点を繰り返し学習することによって、単なる暗記ではなく「考える力」(=応用力)が伸びることも期待できることから、こちらの勉強法の方がほうが、保険的論点への対応力を高めることができるケースもあります。
保険的に学習する範囲を広範囲に広げるか、最重要論点と頻出論点に絞って学習するか、どちらが合格可能性を高められるかは、人によって異なります。
なので利用する専門学校を決める前に両方の勉強法のメリット・デメリットをよく理解して、自分に合った専門学校を選ぶようにすることが必要です。
公認会計士試験においては、勉強法が合否を分けると言っても過言ではありません。
自分に合った勉強法を見つけるのは簡単なことではありませんが、ぜひとも自分にあった勉強法を見つけて、公認会計士の資格を勝ち取るようにしてもらえればと思います。
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