今から20年くらい前の1990年代後半に会計ビックバンと呼ばれる会計基準の大改革がありました。
グローバル展開する日本企業が、国際金融市場から資金調達するためには、世界から信頼される会計基準で作成された財務諸表が必要です。
それまでほとんど改正のなかった日本の会計基準ですが、世界から信頼される会計基準に生まれ変わるために、金融商品会計や退職給付会計、税効果会計など新しい会計基準が短期間に一気に導入されました。
当時の上場会社の経理担当者も新しい会計基準を理解するために大変な苦労をされたと思いますが、それを監査する公認会計士にとっても大変な時期でした。
会計基準の改正がほとんどなかった頃は、公認会計士の知識量は三次試験(今の修了試験に該当する試験)を受験する時がピークで、その知識で一生飯が食えると言われていました。
また今は監査六法は毎年買い替えるのが当たり前になってしますが、当時は毎年買い替える必要はないともいわれていました。
今では考えられないことですが、昔はそれくらい会計基準の改正が少なかったのです。
でも会計ビックバン以降は、会計基準の改正がない年はないくらい、毎年大小さまざまな会計基準が改正されています。
公認会計士は、これら改正された会計基準に関する知識をアップデートし続けることが必要になります。
公認会計士試験の受験生の中には、試験に合格すれば、会計基準の学習から逃れられると思っている方もいるかもしれません。
でもそれは大きな勘違いで公認会計士を職業に選ぶならば、生涯学習が続くことを理解しておく必要があります。
でも合格後に行う学習に、受験時代に感じていたような苦しみはありません。
会計や監査に関するベースとなる知識がある中で、改正された基準を理解するのは、それほど難しいことではありません。
また習得した知識が実務ですぐに生きてきますので、多くの人は知識を習得することが面白く感じると思います。
公認会計士試験を受験しているときは、もしかしたら受からないかもしれないという不安の中で受験勉強していますので、大変だと思います。
でも公認会計士試験は、その後の会計士人生の中で、単なる通過点でしかありません。
できるだけ早く通過して、知識の獲得を楽しめる公認会計士になってほしいと思います。
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