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公認会計士のバイト事情 非常勤で働くという選択肢

公認会計士の資格を生かしたバイトは、世の中にそれほど多くはありません。

 

会計事務所での税理士補助のバイトはよく見かけるアルバイトですが、求められるスキルは日商簿記二級程度の知識ですので、公認会計士の資格があっても高時給は望めません。

また、かつては印刷会社で有価証券報告書等の校正バイトが高時給であったのですが、インサイダー取引事件をきっかけに、今は内製化が進み、ほとんど見ることはなくなりました。

さらに専門学校の公認会計士講座での採点等のアルバイトもありますが、答案一枚数百円レベルなので、資格を生かした高時給バイトとはいえません。

 

そんな公認会計士のバイトなのですが、高時給といえば、やはり監査法人での非常勤バイトでしょう。

 

持っているスキルや関与する業務によって時給は異なりますが、監査業務にシニアスタッフクラスの経験で関与すると時給6,000円程度、主査の経験が豊富で監査全体を俯瞰できるマネージャークラスで時給8,000円程度が相場となっています。

またコンサル業務に関与する場合などは、時給が10,000円を超えるようなケースもあります。

仮に監査業務にシニアスタッフクラスの経験で関与するとして、週3日、一日当たり7時間働くと一年間で6百万以上稼ぐことが可能(6,000円×7時間×週3日×52週=6,552,000円)で、バイトとしては非常に良い条件ではないでしょうか。

 

これくらい稼げると、公認会計士になって非常勤バイトで働くという選択肢が十分に成立します。

 

独立開業する場合、顧客が増えるまで収入はほとんど見込めないことから、躊躇してしまう人がほとんどです。でも非常勤で一定の収入を確保することによって、安心して独立開業にチャレンジすることができます。

またライフワークバランスを重視する人にとっては、最低限の収入を確保した上で、充実したプライベートを過ごすことも可能です。

 

でも非常勤バイトで働くという選択肢には、以下のような注意すべき事項もあります。

 

一定以上のスキルが必要

監査法人は不足する人材を補うために非常勤バイトを使いますので、求めるのは即戦力です。

そのため、試験には合格していても一定以上のスキルを持っていないと、非常勤バイトとして働くことはできません。

 

求められるスキルは関与する業務によって、さまざまです。

監査業務ならば、ほとんどの科目で不足のない監査調書が作成できることが求められ、常勤職員で言えばシニアスタッフ程度のスキルは必要です。

 

また非常勤で主査を任されることは、基本的にありませんが、主査として監査業務全体をコントロールできるスキルを有している人なら、安心して業務を任せることができますので、その分、時給も高くなります。

 

なお通常は一定以上のスキルが求められる非常勤のアルバイトですが、試験に合格した学生が入所予定の監査法人で卒業までの期間に非常勤アルバイトで働く場合は、スキルは求められません。

この場合は、入所後スムーズに勤務に就けるように業務を経験してもらうことに主眼があり、経験者に求めるようなスキルは求められません。

大手監査法人は縮小傾向

上記のように一定のスキルが求められる監査法人での非常勤バイトですが、大手監査法人では縮小傾向にあります。

 

東芝問題を契機に、監査の品質向上に取り組んでいる監査法人ですが、品質向上のために職員に対して各種研修を実施して、職員の監査スキル向上を図っています。

これらの研修について、すべてを非常勤職員に受講を求めるのは、現実的に不可能なため、比較的人材に余力のある大手監査法人では非常勤職員の数を減らしています。

 

また大手監査法人はグローバルで適用されている監査マニュアルに従って監査を行わなくてはなりません。これはグローバルベースで品質管理を行うためであり、メンバーファーム間での取り決めとなっています。

この監査マニュアルはすべての監査業務に適用されるものであり、非常勤のアルバイトが手続きを実施する場合でも、従う必要があります。

しかしながら、大手監査法人の監査ノウハウがすべて詰まった監査マニュアルは、社外秘であり非常勤職員に公開されることはないため、非常勤職員がその監査法人の監査マニュアルに従うことは事実上困難です。

 

これらの事情があるため、大手監査法人では常勤職員で監査を実施することとしており、非常勤バイトは縮小傾向となっています。

 

ただ、もともとその監査法人で常勤職員として勤務していた人が、独立開業するために退職した場合など、必要な研修は受講しており、また監査マニュアルへの理解も十分な場合に限り、退職後非常勤バイトとして勤務することはあります。

ただしこのような場合でも期間は退職後数年間に限定されることが多いのが現状です。

狙うなら中小監査法人

比較的人材の余力がある大手監査法人では、非常勤バイトは縮小しています。

一方で人材不足が顕著な中小監査法人では、非常勤バイトの採用が増加しています。

 

大手監査法人は監査の品質を向上させるため、今まで以上に監査資源を投入しており、その結果、監査報酬の値上がりを招いています。

それを嫌がり、大手から中小へ監査法人を変更する企業も増えており、最近は中小監査法人の業務は拡大傾向にあります。

 

本来なら、これに合わせて常勤職員の数を増加させるところなのですが、今は業界全体で人材不足に陥っており、採用が思うように進まないため、これを補うために非常勤アルバイトの数を増やしているのが中小監査法人の現状です。

 

したがって非常勤アルバイトを探すなら、中小監査法人がおすすめです。

景気が悪化すると案件が激減することも

公認会計士業界は、今は空前の人材不足なので、非常勤アルバイトの案件も潤沢にあり、働きたいだけ働くことができます。

でも常にそうとは限りません。

 

かつてリーマンショックによって日本経済が大混乱に陥った際には、監査法人でも希望退職者を募ったことがありました。

この時は、常勤職員から希望退職を募るくらいなので、非常勤アルバイトの案件は激減しました。

 

このように非常勤バイトの案件数は、景気変動に左右されるものであり、状況によっては、働きたいだけ働くことができないこともあることは、理解しておく必要があります。

非常勤バイトの探し方

現在、監査法人で常勤職員として働いていて、退職後も非常勤アルバイトで働きたいと考えている場合は、退職前にパートナーに相談してみると良いでしょう。

事務所内の人間関係が良好であり、またパートナーからそれなりに評価を受けている人なら、退職後もよろこんで非常勤として使ってもらえるでしょう。

 

中小監査法人の非常勤バイトを探す場合は、知り合いを辿るのが採用への近道です。

受験生時代の仲間や補習所で知り合った人が中小監査法人に勤めているならば、窓口のパートナーを紹介してもらいましょう。

いきなり門を叩く方法もありますが、紹介の方がスムーズに採用まで辿り着けるものです。

 

中小監査法人に知り合いがいない場合は、日本公認会計士協会のCareer Naviを利用する方法もあります。

Career Naviには常勤職員だけではなく、非常勤職員の募集も掲載されますので、これを利用して採用面接を申し込む方法もあります。

 

また人材紹介会社を利用する方法もあります。

管理部門に特化した人材紹介会社であるMS-Japanなら中小監査法人の非常勤案件も取り扱っていますので、これを利用するのもよいでしょう。

人材紹介会社を利用することによって、担当のエージェントが間に立ってくれ、採用に向けていろいろと助けてくれますので、勝手が分からない人は、人材紹介会社を利用するのがおすすめです。

まとめ

監査法人での非常勤アルバイトは、公認会計士の働き方に多様性をもたらしてくれるものです。

 

公認会計士の資格があれば、非常勤アルバイトで最低限の収入は確保しつつ、自分の事務所を立ち上げたり、自分のアイデアをビジネスにしたり、さまざまなことにチャレンジすることもできます。

 

そんな公認会計士の資格なのですが、合格者が増加している今が、公認会計士になるチャンスです。

正しい努力をすれば、誰でも公認会計士になることができるのです。

 

なぜ今がチャンスなのか、何が正しい努力なのかは、以下の記事で詳しく書いていますので、公認会計士になりたいと考えている人は、こちらの記事も読んでみてください。

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