公認会計士を目指す大学生の方は、大学2年生の冬に学習を始めるのがベストです。
ただ子供の頃から公認会計士になりたいと思っている人は、一刻も早く学習を始めたいのではないでしょうか。
でも焦りは禁物です。
大学の授業が落ち着いていない1年生のうちに公認会計士試験の学習を始めてしまうと、両方とも中途半端になってしまう恐れがありますので注意が必要です。
では一刻も早く学習を開始したい人は、どうすればよいのでしょうか。
おすすめは大学2年生の冬までに日商簿記検定の学習を進めることです。
大学2年生の冬までに日商簿記検定1級に合格できるくらいの計算スキルを身につけておくと、その後の公認会計士試験の学習において学習を有利に進めることができます。
日商簿記検定
日商簿記検定とは日本商工会議所および各地商工会議所が実施する検定試験のうち、簿記に関する技能を検定するもののことをいいます。
日商簿記検定は全国的にも知名度の高い資格で、初級から1級までレベルに分けた試験が実施されています。
検定試験は年3回(1級は年2回)実施されており、各級の試験レベルは以下のとおりとなっています。
(出典:商工会議所検定試験HP)
試験レベル | |
初級 | ビジネスパーソンが業種・職種にかかわらず日常業務をこなすための必須知識。簿記の基本用語や複式簿記の仕組みを理解し、業務に利活用できる。 |
3級 | ビジネスパーソンに必須の基礎知識。経理・財務担当以外でも、職種にかかわらず評価する企業が多い。 基本的な商業簿記を修得し、経理関連書類の適切な処理や青色申告書類の作成など、初歩的な実務がある程度できる。 中小企業や個人商店の経理事務に役立つ。 |
2級 | 経営管理に役立つ知識として、最も企業に求められる資格の一つ。企業の財務担当者に必須。 高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できる。 高校(商業高校)において修得を期待するレベル。 |
1級 | 公認会計士、税理士などの国家資格への登竜門。合格すると税理士試験の受験資格が得られる。 極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析ができる。 大学等で専門に学ぶ者に期待するレベル。 |
公認会計士を目指す人は、初級はパスして3級から学習を始めれるのがよいでしょう。
学習時間
各級の検定試験に合格するためには、一般的に以下の学習時間が必要といわれています。
3級 | 2級 | 1級 | |
学習時間 | 60時間程度 | 150時間 | 500時間 |
3級から1級までの総学習時間は710時間程度になります。
これは毎日2時間ずつ学習すれば、1年間で十分クリアできる学習時間なので、大学の授業との両立も容易です。
公認会計士試験との関係
1級の検定試験は商業簿記、工業簿記、会計学、原価計算の各試験科目から出題されます。
これは公認会計士試験の財務会計論および管理会計論の出題範囲と重複しています。
ただし公認会計士試験の方が、質・量ともに日商簿記検定以上のものが出題されますので、日商簿記検定1級に合格するレベルにあったとしても、公認会計士試験の財務会計論や管理会計論の学習時間がゼロになるわけではありません。
でも初学者の方は財務会計論や管理会計論の多くの学習時間を費やすことになりますので、これと比べると圧倒的に有利に学習を進めることが可能です。
集中できるなら3級から公認会計士講座へ
すでに公認会計士試験の学習に集中できる方は、日商簿記検定3級の学習が終わった時点で、公認会計士講座へ進むのが最短ルートです。
日商簿記検定と公認会計士試験の財務会計論、管理会計論の出題範囲は完全に一致しているわけではなく、日商簿記検定特有の論点などもあります。
従って日商簿記検定の学習で得た知識のすべてが公認会計士試験で生かせるわけではありません。
そのため大学の授業が忙しい1年生の方が、本格的に公認会計士試験の学習を始めるまでの準備として日商簿記検定1級を目指すのは大変良いことですが、すでに公認会計士試験に集中できる方は、3級の学習が終わったら公認会計士講座へ進むようにしてください。
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