クレアールは1962年に企業経営者養成専門機関「経営指導協会」として設立されています。
その後1969年に「東京商科学院」と名称変更した後、2001年に現在の「クレアール」になっています。
クレアールは様々な資格取得講座を開講していますが、その中でも公認会計士講座に特に力を入れている専門学校です。
またクレアールは2011年より通学講座は実施しておらず、Web通信講座に特化していますので、東京水道橋にあるクレアール本館以外に教室はありません。
したがって、クレアールを利用する場合は、自宅や大学の図書館などで自習することが前提となります。
クレアールの特徴
重要論点に絞った学習
クレアールの学習の基本コンセプトは、範囲を絞って学習を進めることにあります。
クレアールでは、過去の本試験の出題傾向を徹底的に分析した結果、公認会計士試験を、基本論点をマスターした上で、表現力、演繹力、推論力を磨けば、十分合格点を獲得できる試験であると結論付けています。
そのため他の専門学校に比べて取り扱う論点は限定されており、テキストも圧倒的に薄いことで有名です。
出題範囲の広い公認会計士試験において的を絞って効率的に学習を進めていきたい、と考えている方におすすめの専門学校です。
Web通信に特化
クレアールではWeb講義に特化しており、生講義を受講することはできません。
またクレアールでは、東京水道橋にある本館に空き教室があれば自習室として開放されますが、常に自習室が用意されているわけではないため、自習室は受講生が用意する必要があります。
自宅で自習することができる方は問題ありませんが、自宅では集中できない方は近くに電卓の使用が可能な図書館など、公認会計士試験の学習が可能な自習スペースがあることが受講の前提になってきます。
講義時間を細分化
多くの専門学校の講義は、1コマ3時間で実施されます。
ところがクレアールの講義は、1コマ60分から90分と細分化されて実施されます。
3時間の講義をはじめから終わりまで集中して聞くのは、簡単なことではありません。
集中力が長い時間続かない方や日々のコマ切れの時間を有効活用したい方には、おすすめの専門学校です。
TAC、大原よりリーズナブルな授業料
Web講座に特化していることもあり、TACや大原に比べると授業料は抑えられています。
またよくキャンペーンを実施しており、キャンペーン時に申し込みを行うと割引を受けることができます。
なお別途講義のDVDが欲しい場合は、オプションでDVDを入手することも可能(90,000円~)です。また通常はデータで提供される答練や資料を、紙で欲しい場合もオプションで申し込み可能(45,000円~)です。
初学者向け公認会計士講座
公認会計士試験を受験したことがない方は、以下の中からコースを選ぶことになります。
- 1.5年合格全力投球コース
- 2年スタンダード合格コース
- ハイスピード型短答・論文トータルサクセスコース
それぞれのコースの違いは、学習開始時期と短答試験対策期間の長短が違いとなっています。
合格目標年度(N期)の一年前(N-1期)に学習を始める場合は「1.5年合格全力投球コース」を選択することになります。
また合格目標年度(N期)の二年前(N-2期)に学習を始める場合は「2年スタンダード合格コース」あるいは「ハイスピード型短答・論文トータルサクセスコース」を選択することになります。
「2年スタンダード合格コース」はN-1期の6月までじっくり時間をかけて計算力を養成するカリキュラムとなっており、N-1期の12月に実施される第Ⅰ回短答式試験での短答合格、そして翌年の論文式試験での論文合格を目標に学習を進めるコースになります。
「ハイスピード型短答・論文トータルサクセスコース」はN-2期の11月までに集中して計算力を養成し、N-2期の12月以降は短答試験対策に注力するカリキュラムとなっており、AコースはN-1期の5月に実施される第Ⅱ回短答式試験での合格を、BコースではN-1期の12月に実施される第Ⅰ回短答式試験での短答合格、そして翌年の論文式試験での論文合格を目標に学習を進めるコースになります。
1.5年合格全力投球コース
N-1期の6月までを目処に簿記検定の学習を修了し、順次公認会計士講座の短答必須科目講義の受講を進め、N-1期の12月に実施される短答式試験と翌年の論文式試験での合格を目指すコースです。
- 受講期間:最長約1年8か月
- 短答再チャレンジ特典付き(N-1期の12月の短答が不合格の場合、短答式試験答練講座が受講可能)
このコースは学習期間が短いことから、毎日複数の講義を受講しなければなりません。
公認会計士試験では、授業時間以上に復習時間を確保する必要があるのですが、十分な復習時間を確保できない恐れもあります。
余程の事情がない限り後述の2年スタンダード合格コースあるいはハイスピード型短答・論文トータルサクセスコースを選択することをおすすめします。
【メリット】
短期間で合格を目指すことが可能
【デメリット】
短期間に多くの講義を受講しなければならず、起きている時間の大半を学習に費やすことになることも
【このコースが向いている人】
- とにかく1年でも早く公認会計士になりたい人
- 公認会計士試験に120%集中可能な人
- 学習に自信がある人
2年スタンダード合格コース
日商簿記1級を1年程度かけてじっくりと学習し、計算科目の基礎をしっかりと固めた後、会計士講座に合流するコースです。
- 受講期間:最長約2年8か月
- 短答再チャレンジ特典付き(N-1期の12月の短答が不合格の場合、短答式試験答練講座が受講可能)
N-1期の12月に実施される短答式試験を大本命に、学習の進捗状況によってN期の5月に実施される短答式試験、続いて8月の論文式試験を目指すコースです。
日商簿記1級を1年以上の時間を掛けて学習しますので、やや間延びするように思います。
それくらいなら最短で簿記の基礎を習得し、他の科目に学習に時間を掛けた方が、合格への近道だと思いますので、個人的には「ハイスピード型短答・論文トータルサクセスコース」をおすすめしたいと思います。
【メリット】
学習期間と進捗のバランスの取れたカリキュラム
【デメリット】
計算力養成期間が最長で18か月間とやや冗長
【このコースが向いている人】
- まだ大学で多くの単位が必要な大学生
- 計算力に不安がり、計算力をじっくり養成したい人
ハイスピード型短答・論文トータルサクセスコース(おすすめ!)
「ハイスピード型短答・論文トータルサクセスコース」はN-2期の11月までに集中して計算力を養成し、N-2期の12月以降は短答試験対策に注力するカリキュラムとなっています。
AコースはN-1期の5月に実施される第Ⅱ回短答式試験での合格を、BコースではN-1期の12月に実施される第Ⅰ回短答式試験での短答合格、そして翌年の論文式試験での論文合格を目標に学習を進めるコースになります。
ABどちらのコースを選択するかはN-2期の11月の簿記検定本試験終了後に学習の進捗状況を確認しながら担任と相談して選択することになります。
学習期間も無理なく学習を進められる期間を確保しており、また学習の進捗に合わせてコースを選択することも可能なので、最もおすすめのコースです。
- 受講期間:最長約2年8か月
- 短答再チャレンジ特典付き(2022年5月の短答が不合格の場合、短答式試験答練講座が受講可能)
- 論文チャレンジ特典付き(2022年5月の短答に合格した場合、2021年目標の論文式試験対策講座が受講可能)
【メリット】
学習期間と進捗のバランスが最も取れたカリキュラム
【デメリット】
簿記すら学習したことのない人にとってはやや学習ペースが早すぎる時期がある可能性あり
【このコースが向いている人】
- 標準とされるコースで学習を進めたい人
- 日商簿記の既学習者
その他のコース
2.5年トータルセーフティコース
合格目標年度(N期)の論文合格を目指しつつ、不合格だった場合に備え、追加の費用負担なしに翌年(N+1期)も講座を受講できるコースです。
逃げ道を残しつつ学習を進める方法は、甘えを生じさせる恐れがありますので、これらのコースはおすすめしません。
またもし専門学校が合わない場合に、他の専門学校を選択するのが難しくなってしまいます。
従ってハイスピード型短答・論文トータルサクセスコースなど最短コースで論文合格を目指すコースをおすすめします。
3.5年トータルセーフティコース
合格目標年度(N期)の論文合格を目指しつつ、不合格だった場合に備え、追加の費用負担なしに翌年(N+1期)及び翌々年(N+1期)も講座を受講できるコースです。
こちらも2.5年トータルセーフティコースと同じ理由で、おすすめしません。
従ってハイスピード型短答・論文トータルサクセスコースなど最短コースで論文合格を目指すコースをおすすめします。
教育訓練給付金制度を利用するなら
クレアールでは社会人向けに教育訓練給付金制度を利用できるコースが準備されています。
「上級クラス7月生通信講座」が教育訓練給付金制度の対象コースとなっていますので、教育訓練給付制度を利用するなら、こちらのコースを選択してください。
受験経験者向けコース
受験経験者向けにも以下のようなコースが準備されています。
受講料についても初学者向けコースよりもお得な価格設定となっていますので、万が一、初年度の受験に失敗したときも安心です。
- 上級短答・論文ストレートコース
- 上級1.5年トータルセーフティーコース
- 上級セパレートコース
資料請求
専門学校選びで最も重要なのは、自分に合った専門学校を見つけることです。
自分に合った専門学校を見つけるためにも、資料請求して隅々まで目を通してみてください。きっと自分に合った専門学校が見つかると思います。
資料請求は無料ですので、取り寄せない手はありません。
他の専門学校も気になる方は、こちらの記事もどうぞ。
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